TCFD提言に基づく情報開示

 明光ネットワークジャパンは、気候変動及び環境課題への対応が、重要な経営課題のひとつであると強く認識しております。パリ協定の枠組みや、日本政府が掲げた2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする目標のもと、持続可能な社会を実現するために企業が果たすべき役割を認識し、ビジネスを通じてこの課題解決を実現することが、当社グループの持続的成長に繋がると考えております。
 株主・投資家をはじめとする幅広いステークホルダーの皆さまと円滑なコミュニケーションがとれるように、TCFDのフレームワークに基づき、情報開示をいたします。
 

TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures(気候関連財務情報開示タスクフォース)とは

2015年、G20からの要請を受け、金融安定理事会(FSB)により民間主導の「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」が設置されました。
TCFDは 2017年6月に最終報告書(TCFD提言)を公表し、企業等に対し、気候変動関連リスク及び機会に関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について情報開示することを推奨しています。

<ガバナンス> 
 当社は、サステナビリティ経営に関わる基本方針や重要事項等を検討・審議・決議する組織として、2022年11月に代表取締役社長を委員長とする取締役会の諮問機関であり、取締役を中心に構成される「サステナビリティ委員会」を設置し、四半期ごとに開催しています。特に気候変動及び環境課題への対応は「明光ネットワークジャパンサステナビリティ基本方針」において重要なテーマのひとつとして位置付けております。また、サステナビリティ経営を推進させるために、サステナビリティ推進室を設置いたしました。
 サステナビリティ推進室長(執行役員)は年度計画を立案し、年度計画に基づいた指標、削減目標の進捗状況を管理し、サステナビリティ委員会に付議いたします。サステナビリティ委員会は、付議された年度計画、指標、進捗状況等の重要事項を評価、モニタリング、審議決議し、取締役会に報告することにより、監視・監督機能を強化、実効性を確保しております。 

<戦略:事業のリスクと機会> 
 当社は、気候変動が社会に与える負の影響は甚大であると認識し、世界全体でのカーボンニュートラルの実現に貢献することが重要であると考えております。国際エネルギー機関(IEA)が想定する1.5℃シナリオ(IEA Net Zero Emissions by 2050 Scenario)を前提に、気候変動による当社事業のリスクと機会をシナリオ分析で把握するとともに想定される多様なリスクへの対応を強化してまいります。
移行リスクとしては、炭素税導入等の法規制厳格化による収益悪化リスク、環境負荷を軽減する教材開発、教室・施設へのLED導入等の設備投資増加、洪水リスクを考慮した教室配置等による負担増加等を想定しております。
なお、2022年8月期の当社及び連結子会社におけるGHG排出量(スコープ1・2*)は3,574トンであり、財務的な影響は限定的と判断しております。
 物理的リスクとしては、気候変動による台風の大型化、洪水等の自然災害の深刻化により教室・施設等への被害や感染症の発生頻度が高まることや、異常気象によるエネルギーコストの高騰等を想定しております。
 一方、新たな事業機会として気候変動がもたらすリスクにも対応したDX化の取り組み強化を重要戦略と位置づけ、明光DX戦略ロードマップに沿ってお客さまのニーズに合わせた個別最適なサービスを開発いたしました。また、教材やお客さまとのコミュニケーション時のペーパーレス化も推進してまいります。
*スコープ1・2とは、温室効果ガスの区分であり、スコープ1は事業者自らの直接排出量、
 スコープ2は他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出量を表します。

<リスク管理> 
 当社は、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会が中心となりリスク管理体制を構築し、リスクへの柔軟な対応を推進しています。運営プロセスにおいて取締役会等が必要な項目を特定し、定期的なモニタリングを実施することで適切に管理されています。
なかでも、気候変動対応を全社的重要リスクとして選定しており、取締役を中心に構成されるサステナビリティ委員会において定期的に協議を行い、シナリオ分析による事業への影響を評価してまいります。
 また、サステナビリティ委員会においては、気候変動を含めた世の中の動向や法制度・規制変更等の外部的要因の共有、施策の進捗状況、将来的なリスク・機会の変更も視野に入れながら、サステナビリティ基本方針、戦略及び施策等を1年に1回以上の頻度で見直しいたします。
サステナビリティ推進室長(執行役員)は、気候変動に関わる活動の削減数値目標の妥当性や施策の進捗状況を管理するとともに、サステナビリティ事務局長が中心となり、具体的な取り組みを推進してまいります。また、E、S、G各重要課題の実効性については、分科会を設置し、それぞれ担当部門責任者(部門長)を置き、PDCAサイクルを実行してまいります。
 

<指標と目標> 
 当社では、これまでも教室内蛍光灯のLED化等を推進してまいりました。今後、再生エネルギー導入等を視野に入れながら、グループ全体の温室効果ガス削減目標を「2030年までに2022年8月期(3,574t)比において10%削減*、2050年までに実質ゼロ」とする取り組みを強化してまいります。
 *スコープ1+スコープ2

CO2排出量(Scope1・2)の実績(2023年8月期)

Scope1 総使用量(ℓ) CO2排出量(t-CO2)
灯油 8,531 21.2
ガソリン 15,537 49.7
合計 24,068 70.9
Scope2 総使用量(mWh) CO2排出量(t-CO2)
電気 7,500 3,503.5
合計 7,500 3,503.5

※算出時期:2022年9月~2023年8月
※算出範囲:株式会社明光ネットワークジャパン本社及び全事業拠点
 連結子会社(株式会社MAXISエデュケーション・株式会社ケイライン・株式会社TOMONI・株式会社One link・株式会社クース・コーポレーション・株式会社早稲田EDU・国際人材開発株式会社・株式会社古藤事務所・株式会社Simple)